しまった！


ガントレットが！


私の左手から外れたガントレットが、ソージキのヘッドに向かって、吸い寄せられていく。


くっ！


ガントレットが奪われてしまった。


…こうなっては、


お手上げ…だ。


意志力エネルギー変換システムが…、手元にないのだ。


取り戻すための力も出せ…ない。


…。


私の意識が、途切れ…そうだ。


随分、回転させられている。


私の体に…限界がきている…ようだ。


「博士！」


私の耳に、サファの声が響く。


…すまない。


サファ…。


お前を守り切ることが…出来なかった。


力のない博士で、


すまない…。


私の意識が、完全に途切れそうになる。


その時だ。


「…かせを、


解放して下さい！」


もうろうとする私の頭に、かすかにサファの声が響いた。


私は閉じかかった目をなんとか開き、見下ろした。


私の目に、ソージキのヘッドに捕まった、ガントレットの姿がぼんやりと見えた。


「私、言うことを聞きます。


だから、博士を助けて下さい！」


…自分が、


捕まっているというのに、


私のことを…、


想ってくれるのか…。


私を…、


助けたいと…。