ドーライヤー。


それは、50億年後のドライヤーに似た、機械のことだ。


吹き出し口から出る風で、ぬれた髪を乾かすことが出来る。


それにより周囲の物がぬれるのを回避することが可能だ。


ドーライヤーは、普通に出回っている機械なのだが…、


ジイールに言われるまで、この風がその熱風だと気付かなかった…ぞ。


私は所有していないため、その特徴を把握していなかった。


私は髪をぬらしたたまま枕で寝ることが普通なのだ。


確かに、この風が、ドーライヤーの熱風なら、今の私の状態にも納得が出来る。


ドーライヤーは、髪を短時間で乾かすため、乾燥した熱風を送風する。


それをもし、髪ではなく顔に受けた場合―


「恐ろしいだろう。


この剣が放つ、ドーライヤーの熱風は。


極限にまで、ドーライヤーの熱風を高めている。


すさまじく乾燥している。


目が…かなり乾くよ」


そう。


このジイールの剣の風を顔に受けたことで、私の目から潤いが失われたのだ。


その結果―


ガクッ。


私は、その場で膝をついた。


目が開けづらい…ぞ。