「なっ！


建物が！


庭が！


門が！


この屋敷の敷地内全体が、


揺れている！


これは、一体…」


私は、周りを見回しながら、言った。


「この兵器組換石が行ったのは、半端な組み換えではない、ということさ」


窓の奥で、ジイールが兵器組換石を右手でさわりながら言う。


「半端では…ない？


まさ…か。


そんな！


兵器組み換えされたのは、


この屋敷…全体だというのか！」


私はジイールに向かって叫んだ。


「その通りさ！」


ジイールが、うなずいた。


「ヤバい、レベルだぞ！


兵器化の規模が、大きすぎる！


どのような兵器化が行われたというのだ！


なぜ、


これ程までに、揺れている！」


ゴゴゴ…！


揺れが、さらに大きくなった。


何が、起こる…のだ。


不意に攻撃が襲うかもしれない。


しっかり集中だ、私よ！


…と思ったら、


いかん、


私の体が、


地面に向かって、降下を始めている。


揺れに気を取られすぎたか。


ガントレットへの意志力が不足してしまった。


…いや、


ガントレットには、私の意志力が十分に、注ぎ込まれている…ぞ。


空中にとどまれるだけのエネルギーが、残っている。


私は、降下せず、静止している、はず…。


それなのに、地面へと…降下している。


…違う…ぞ。


屋敷の外が、視界で動いていない。


私は確かに、この場で、静止している。


私が、地面に近付いているのではない。


地面が…、


私に近付いているのだ！