突然の私の言葉に、王女様が驚いたような表情になり、


じっと私を見つめた。


し、しまった。


王女様に対し、出過ぎた真似をしてしまった。


民の私が、王女様を安心させようなど…、


差し出がましいにも程があるぞ。


「し、失礼しました、王女。


大声を出してしまって。


屋敷を止められるよう、力を尽くして、頑張りたいと思います」


私は慌てて頭を低くして言った。


「みぃ…」


「ありがとうございます、頼もしい…お言葉。


おかげで、私の心いっぱいに満ちていた、


不安な気持ちが、


薄らぎました。


震えていた体が、


大分、落ち着きました。


コード…様。


信じて、待っております。


屋敷を止めて下さることを。


再び、この城に無事、戻って下さることを。


どうか、お気をつけて…」


ローラ様が、瞳を潤ませて、言った。


「はい！


必ず！」


私は心を奮い立たせて答えた。


「みぃ」


ローラ様が真摯な表情で鳴き、ゆっくりと座った。


「では、コード、行こう」


エリィナが立ち上がって、私に言った。


「ああ！


行くぞ！


ジイールの屋敷へ！」


私はそう言って、立ち上がり、


王に向かって、深く一礼した後、


後ろの王の間の出口へと、歩き出した。


「みゃあ」


「しゃぁぁぁ」


「みぃ…」


王達の激励の言葉を背中で受け止めながら…。