ブ…！


私は周囲の粒子を集めて、右手に棍棒を形成し、


ビュゥゥゥ！


20mほど上のスイーカに向かって飛び上がった。


スイーカに接近戦を仕掛け、隙を見て、根の兵器組換石を叩くぞ！


スイーカの体当たり…、3度見たが、まるで砲弾による攻撃のようだった。


回避するのがやっとだった。


しかし、近距離戦闘に持ち込めば、スイーカはそこまで加速出来ず、


根へ攻撃しやすいはず。


ビュゥゥゥ！


ぐんぐんとスイーカとの距離が縮まる。


紫の光がもれる根が近付いてくる。


うまくいけば、このまま根に攻撃が…。


そう思った時、根より少し右に浮いていたスイーカの実がスッと左に動いた。


根が実に隠れ、見えなくなる。


くっ…、スイーカ。


やはり簡単にはいかない相手だ。


しっかり守りに注意を払っている。


どうするか…。


よ…し。


実を叩き落として、さえぎるものをなくし、根へ一撃を届かせる！


ビュゥン！


私はスイーカの3m手前で急上昇し、スイーカの実の上を取った。


そして、


ブゥン！


渾身の力で、棍棒を振り下ろした。


棍棒が弧を描いて、実に迫り―


キィィィン！


命中して、鋭く金属音を響かせた。


棍棒による攻撃を受けた実が、下に落ちる。


実に引っ張られ、スイーカ全体が落下する。


落ちていくスイーカを追う私の目に、


紫に輝く根が映った。