ブゥン、ブゥン…ブゥン！


3本のテーブルの足が、急激に角度を変え、私に向かってくる。


そして、その軌跡が分散する。


1本のテーブルの足は、上へ動いた。


他の1本の足は右へ、そして、もう1本は左へと動く。


挟み撃ちを狙っているぞ！


ここに止まっていては、避けることが困難になる。


粒子よ、私を左へ飛ばせ！


ブゥン！


私の体が、壁に沿って飛行を始めた。


出来るだけ速く動き、囲まれないようにしたい。


そんな私の考えをあざ笑うかのように、1本のテーブルの足が急速に動いて曲がり、右斜め前から私に迫ってきた。


圧倒的にテーブルの足が、速いぞ！


囲まれてしまった。


このままでは、当たってしまう！


くっ！


飛行速度を高めたら、避けられるかもしれないが、前の壁にぶつかってしまう危険性が高まってしまう。


しかし、何もしなければ果ててしまうだけだ！


加速せよ、私よ！


ブゥン！


私の右斜め前から迫っていた、テーブルの足が、視界から消えた。


その直後、


ガァン！


すぐ後ろから、壁に突き刺さる足の音が響く。


避けられた。


後、2本だ！