実の穴は下を向いている。


種を食らわないよう、後ろに回り込むぞ！


ビュゥゥゥ！


私は左前方向に上昇していき、


スイーカより上の高さに到達したところで右に旋回する。


右下に顔を向けスイーカを見た。


実の穴は…こちらに向けられていない。


実は底を少しもこちらに向けることなく、


根を隠すように、こちらに向かって移動している。


…接近中に種の攻撃を受けることはない…か。


いや、突然底を向け、種を撃ち出す、ということもありそうだ。


実の動きに注意して接近しないと。


ビュゥゥゥ！


…スイーカまで残り5m程まで迫った。


実は底を下に向けたまま…。


スイーカ、ここぞという時に種を撃ってくる気だな。


スイーカは種の他に、実や茎で攻撃を行える。


それらの動きに気を取られている時に撃たれたらヤバそうだ。


なんとか種攻撃をされる前に根に一撃を当てねば。


スピーディーに…攻撃を仕掛けていくぞ！


うおお！


ボォ！


私は急に加速して実の上に迫った。


そして、


ブ…！


右手に粒子を集めて棍棒を出し、


ブゥン！


振り下ろした。


キィィィン！


当たり、実が落下する。


それを見てすぐ、


ボォ！


実とともに落下を始めた根に向かって急降下した。


動きを可能な限り止めずに攻めれば、根に攻撃を届かせることも！


右からスッと茎が現れる。


シュ！


すぐさま茎に向け右足で蹴りを放った。


バァン！


当たり、茎が右に落下していく。


左からスッと茎が現れる。


シュ！


すぐさま茎に向け左足で蹴りを放った。


バァン！


当たり、茎が左に落下していく。


実も2本の茎も、根の前に存在しなくなった。


よし、後少しで出来るぞ、根に一撃を届かせることが！


ボォ！


私は降下速度を加速させた。


根まで、あと50cmのところまで迫る。


私は蹴りを放とうと足を構えた。


その時、


実が回転し始めた。


実が…種を撃ち出そうとしているのだ！


底の穴を向けられる前に、なんとかして蹴りを根に当てねば！


うおお！


ボォ！


私はさらに降下速度を加速させた。


根へ攻撃可能な間合いまで到達する。


攻撃…間に合うか！


実は…、


すでに底を私に向けている！


カチ！


種が装填された音！


…ま、間に合わない！


ドォン！


実から種が撃ち出され、


ボォン！


左足の裏に直撃した。