サファがスイーカのいる方に体を向け、じっと先を見つめた。


「今、スイーカは…、


こちらを攻撃しようとする素振りを見せているだろうか？」


「いえ…、特別、見せていないようです。


2本の茎は、地面についたまま動きが止まっています。


実も地面から1mほど浮いた状態で静止しています。


種を撃ち出す実の穴の方もこちらに向けられていません。


上を向いています」


「そうか…」


「…！


は、博士、気を付けて下さい！


実が動き出しました！」


「なっ！」


「その場でゆっくり回転しています！


上に向けられていた穴がこちらに向けられ―


い…いえ、そのまま回転を止めず…、


地面の方に向けられました。


どうやら、種攻撃を行うために実を回転させたわけではなかったようです」


「よ…良かったぞ。


まだ目が良く見えないのだ。


種を撃たれたら、うまく反応出来るか分からない。


しかし、どうしてスイーカは実の穴を上から下に…。


まるで構えを解いたように…。


…！


そ…そうか。


ようやくスイーカが地面を吹っ飛ばした方法が分かったぞ！


地中にあった実を回転させて穴を上に向け、種を思い切り撃ち出したのだ！


その衝撃で地面が砕けて飛んで私を襲い…。


く…根まであと少しだったのに…、


してやられた…ぞ」


「は、博士！


茎の1本が動き出しました！


浮いて…右にまっすぐ構えています！」