砕けた兵器組換石から完全に紫の光が消える。


スイーカが力を失い、浮かんでいた茎がドォンと地面に落ちた。


よ…よし…、


兵器組換石を破壊することが出来た。


スイーカの兵器化を解くことに成功したぞ！


ほっとして私の心と体から力が抜けた。


実の穴に刺さっていた棍棒が構成する力を失って消える。


同時に私の体がガクッとすぐ下の地面に落ちた。


「だ…大丈夫ですか、博士！」


片膝をつく私の前に、サファが慌てて飛んできた。


私はヨロヨロと立ち上がって、うなずいた。


「大丈夫だ…ぞ。


土が入って見えなくなっていた目も、ほとんど元の状態まで回復している。


実の攻撃で多少まだ体がしびれているが、動くのに問題ないレベルだ」


「そ…そうですか。


やりましたね、博士。


スイーカを無力化することが出来ました」


私はスイーカの方に視線を向けた。


絡み合っていた茎がほどけ、実にあいていた穴がふさがり始めている。


兵器化していたスイーカが元のプラチナ像へと戻っているのだ。


「ああ、かなりの難敵で一時は城が屋敷に踏みつぶされるまでに、


兵器組換石を破壊出来ないかもしれないと危惧したが、


どうにか間に合ったようだ。


まだ屋敷は丘の上よりも下の位置を浮上している。


ジイールの屋敷は全体がプラチナで出来ていて重量がとんでもなくあり、


浮上に時間がかかるのが救いだ。


とはいえ、先の壁で待っているのは突破の困難な侵入防御システムとプラチナレーザーだ。


どんなに時間があっても果たして切り抜けられるかどうか…。


急いで壁に向かい、内部への侵入を試みる必要があるぞ！」