凄い勢いで飛ばされている！


くっ！


ここには木が密集している。


このままでは、ぶつかってしまうぞ！


私は、足に粒子を付着させ操作し、勢いを抑えようとする。


しかし…、


止まらない！


このソージキ、圧倒的なまでの力を持っているぞ！


「博士！


止まって下さい！


木が迫ってます！」


サファが叫ぶ。


「止まりたいと思っている。


しかし、止まらないのだ！」


私も叫ぶ。


「博士が手に持つ傘のせいです！


飛んでくる粒子を裏から受け止めてます！」


私は、右手に持つ粒子のシールドを見た。


確かに、粒子を受けている。


私は、粒子のシールドを手放し、地面へと着地した。


「危なかった。


感謝する、サファ。


しかし、良かったぞ。


このソージキが放つ粒子は、特別、殺傷能力があるわけではない。


粘着力も普通のソージキが放つものと同じだ。


人に付着しても、簡単に落ちるレベルだ。


ただ、勢いと量が違う。


気を付けないと、ホコリ同様に、好き勝手に飛ばされてしまうぞ」


私は、飛来する掃除用粒子を避けるため、地面にしゃがみながら言った。