「ははっ！


どうした？


外せないのか？


だったら観念して、未来予測システムをよこすんだ。


このままだと、朽ちるよ」


頭上から、ソージキの声が響く。


そして、私を激しく、揺さぶった。


ブゥン、ブゥン！


くっ！


朽ちてたまるか！


外す方法を考えろ、私よ！


…よし！


棍棒で、もう一度叩くぞ！


強く叩ければ、衝撃で外せるかもしれないのだ。


私は、棍棒を大きく構えた。


うおお！


当たれ！


力を込め、振り下ろす。


ブゥン。


バァン！


強い打撃音が響く。


しかし、


ヘッドからではなかった。


音がしたのは、


私の右足のつま先だった。


…！


うわぁぁぁ！


足が！


しびれるぞぉぉぉ！


強く揺さぶられ、ずれてしまった！


「博士…。


涙が出てきます…」


顔をゆがめる私を見て、サファが悲しそうに言った。


「だ、大丈夫…だ。


足の粒子が、ダメージを軽減してくれた」


私は、声をしぼり出して、シルに言葉を返す。


しびれだけで済んで、本当に良かった。


足に粒子を付着させていなかったら、もっとダメージを受けていたのだ。


私は、ソージキに敗北していただろう。


ヘッドに吸いつかれて痛みがないのも、この粒子のおかげである。


維持することが出来て良かったぞ。


…待てよ。


なぜ私は思いつかなかったのだ。


ヘッドから、脱する手があったぞ！