ジイールは、私との間合いを一気に詰めると、


剣を振り下ろしてきた。


私は、棍棒を頭上で横にして構え、受け止める。


キィン！


ぐっ！


強い、剣撃。


…いかん。


勢いに押され、また懐まで、入られてしまった。


間合いに気を付けなければいけないと、先程思ったばかりなのに、


対処出来ていないぞ。


ジイールの蹴りが、余裕で届く位置だ。


…蹴りを放つつもりだろうか？


ジイールの右足が…わずかに上がった。


くっ。


蹴りを放つつもりだぞ。


蹴られたら、再起不能だ。


なんとか、しのぎたいが…。


ジイールの膝が、腰の辺りまで上がった。


蹴りが…実行される。


絶対に蹴られて、たまるか！


うおお！


私は、周囲の粒子を付着させながら、左足を腰の高さまで上げた。


シュ！


それと同時に、ジイールの前蹴りが放たれる。


私の左足の膝と、ジイールのつま先がぶつかりあった。


ドォン！


その衝撃で、私とジイールはその場から弾かれた。