ドアが急速に私の視界に迫ってくる。


ブゥゥゥ…。


近付くにつれ、侵入防御システムが、紫の光を強めていく。


システムが、私の接近を感知し、衝撃波の準備をしている。


放たれるのは、確実だ。


…頑張って、このまま、行くぞぉぉぉ！


私は、体を後ろに傾けると、


両足を先にし、


妖しく輝く、開け放たれたドアに、突っ込んだ。


到達する寸前―


ボボボォォォ！


システムが、私の両足に、衝撃波を高速連射し始めた。


足を、凄まじい衝撃が襲う。


ぐっ！


凄い、力だ！


足に粒子を付着させているというのに、衝撃が貫通し、ダメージを受けている！


勢いをつけて、突っ込んだというのに、徐々に、後ろへと押し戻されている！


突破は、難しいのか！


…いや。


あきらめるわけには、いかない！


王が討たれようとしているのだ！


なんとかして、突破する！


この衝撃波は、ドアの枠から打ち出されている。


枠を壊せば、止まるはず。


足よ、枠に当たれ！


私は、右足を、ドア左側の枠に叩きつけようとした。


しかし―


ボォ！


ぐっ！


…駄目だ！


衝撃波の勢いが強すぎて、押し戻された！


ボォ、ボォォォォォ！


なっ！


今まで以上に強い衝撃波が！


「ぐ、はぁぁぁ！」