ゴゴゴ…！


屋敷が、


地面ごと、


空に向かって、


浮上している！


「ジイール！


屋敷が、浮き始めている。


なぜ、浮かすのだ！


何を企んでいる！」


私は、ジイールに向かって、叫んだ。


「王のいる、あの城が気に入らないのさ」


ジイールが、私の後方をにらみ、言った。


私は、顔を後ろに向ける。


小高い丘の上に、王の居住する城が見えた。


「…どうする、というのだ」


私は、首を戻し、聞いた。


「踏みつぶしてやるのさ！


この屋敷を、城の真上まで移動させ！


この屋敷は、大部分をプラチナで造ってある！


かなりの重量があるのさ！


丈夫な城といえど、その重みには耐えられまい！


僕のこの屋敷が、城に取って代わる。


この都市の、新しい城となるのだ！」


「なっ！」