「ああ！」


私は、うなずいた。


ガガ…。


エリィナが門を手で押して開け、


城壁の内側へと入る。


私もその後に続いて、中に入った。


緑に覆われた庭園と、2階建ての城が、


目に映った。


「こっちだ！」


エリィナが、城に向かって走る。


私も走り、その後を追った。


「まさか、ジイールが謀反を企てるとは！」


走りながら、エリィナが言う。


「ああ！


信じられない！


王は、この都市を平和へと導いた。


争いのない、民が、皆、平穏な生活を享受出来る都市に、導いたのだ。


そんな良き王を下し、


取って代わろうとする者が現れようとは。


私はジイールから謀反の話を聞き、止めようとした。


しかし、


大型の兵器組換石の力に阻まれ、


ままならなかった」


私は、悔しげに、つぶやいた。


「兵器組換石…。


あの禁止された兵器組換技術の？」


エリィナが、首をかしげ、聞く。


「そうだ。


ジイールはその石の力を使い、


屋敷を兵器へと組み換えた。


そして、浮上させ、


この城を踏みつぶそうとしているのだ」