「えっ？


ええっー！


この城が、破壊されるのですか？


ジイール様の屋敷に？


どういうことですか！


いきなりすぎて、信じられません！」


コリィンが、驚いた顔で言った。


「窓から、ジイールの屋敷を見て欲しい！


事態は急を要する！」


エリィナが、コリィンに早口で言う。


「わ、分かりました」


コリィンはうなずき、窓へと走った。


エリィナと私もそれに続く。


コリィンが窓枠に手を置いて、


ジイールの屋敷の方を見た。


「そ、そんな！


ジイール様の屋敷が、


あの豪華なプラチナの屋敷が、


浮いています！」


コリィンが、慌てた声で言った。


私も屋敷を見る。


城の外で見た時よりも、


わずかに高く浮上しているようだ！


「ジイールが王に謀反を企んだ。


あの屋敷で、城を踏みつぶそうとしているらしいのだ！


こちらの研究開発機関に所属する私の知人が、知らせてくれた！


早く、王に！」


エリィナの言葉に、コリィンがカクカクと首を縦に振る。


「お、王に急いで伝えてきます！


少し、お待ちを！」


コリィンは、そう言い、


王の間へ向かって、走りだした。