根が…、


兵器組換石が、


見えた！


今がチャンスだ！


ビュゥゥゥ！


私は落ちていくスイーカを追って降下、


根を蹴ろうと、右足を構えた。


ビュゥゥゥ！


後少しで蹴りを放てる間合い…。


凄まじく蹴り、一撃で終わらせるぞ！


そう思って右足に力を込めた、


その時、


「は、博士！


左右から茎が！」


私の右肩の上でサファが叫んだ。


左右から茎…。


どういうことだ？


私はサファの言葉に危険を感じ、蹴りを放とうとしていた右足を止め、


素早く周りを見回した。


私の目に、銀色に輝く、葉のついた茎が映った。


スイーカの2本の茎が…、


知らぬ間に私を左右から挟むように伸びている！


ヒュン！


ヒュン！


私の体を狙って、茎が左右から襲ってくるぞ！


私は慌てて、


ビュゥ！


後ろに飛んだ。


動いてすぐ、


ヒュ、ヒュ！


私の数m前を2本の茎が凄い勢いで通り過ぎる。


ヒュゥ！


茎が起こした風が、私の体を揺らす。


あ…危なかった。


まさか茎で攻撃してくるとは。


実と根に気を取られていて、注意していなかった。


サファが教えてくれなかったら、茎に叩かれていたぞ。