左手のガントレットが輝き、足の粒子が激しく揺らぐ。


くらえ、ドア！


私は、ドアに向け、加速、振動する粒子をまとった足で、ドアの中心めがけ、蹴りを放った。


バァァァン！


ドアが吹っ飛ぶ。


そして、


ドォン！


壁に激突した。


衝撃で、砂埃が巻き上がる。


私は、空中から地面に降り立つ。


ドアに強い衝撃を与えることが出来た。


振動する粒子に、地球の重力が加味された蹴りだ。


有効打になったかもしれない。


しかし、兵器組換技術は、強力だ。


油断は禁物と言える。


「よこ…せぇぇぇ」


案の定、ドアが立ち上がる。


しかし、ドアを見ると、全体がひび割れている。


そして、


キィィィン。


ドアの中心で、紫に輝く石が、ひび割れた隙間から、顔をのぞかせている。


兵器組換石だ。


決定打は与えられなかったものの、ドアを動かす、核の位置を明らかにすることが出来た。


しかし、兵器組換石にしては小型だ。


開発されたと聞いた時は、ドアに隠れるほどの大きさではなかった。


はみ出すぐらいの大きさはあったはずだ。


そして、この力…。


小型高性能化に成功しているように思える。


兵器組換技術が法律により禁止された後も、改良を止めなかったのだろう。


サファを狙う誰か…、きな臭いぞ。


何はともあれ、あの石を破壊すれば、ドアを止めることが出来る。


考えるのは、それからだ。


行くぞ！