「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、女性型未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより未来予測を開始します」


彼女は、祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体が、やわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました。


映像を投影します」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、開発室内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。





「スサノオ」


「スサノオ？」


「はい。


日本という国の神のようです」


「勇ましい風体だ。


どのような神なのだ」


「かなり勇敢な神のようです。


ある地で、8つの蛇の頭と、8本の尾を持つヤマタノオロチという巨大な怪物が現れ、人々を困らせていました。


それを助けたのです」


「普通に相手をしては、倒せない怪物に思える。


どのように倒したのだ」


「酒の入った桶を用意し、それを飲ませたようです。


そして酔った隙を突き、退治したようです」


「なるほど。


智のある神のようだ」


「また、日本という国を、自然豊かにしたようです」


「国に自然をもたらした、というのか？


どのような手段を使ったのだ？」


「自分の毛を木に変え、植えたようです」


「なんと！


木を生み出す力があるというのか！


かなり力を持った神のようだ」


スサノオ。


未来の日本という国には、ありがたい神がいるようだ。