「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、女性型未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより、未来予測を開始します」


彼女は、祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体が、やわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました。


映像を投影します」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、開発室内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。





「雪女…」


「雪女？」


「はい。


未来には、雪女という妖怪が存在するようです。


白い装束を身にまとった、肌の白い、女性の姿をしています。


多くの雪女は、美しさを備えています。


しかし…その見た目に騙されてはいけないようです」


「なぜ？」


「吐息により、凍死させられてしまうからです…」


「なんと…」


「…未来に存在するすべての雪女が危険というわけではないようです。


中には、人と一緒に生活する、友好的な雪女もいるようです」


「そうか。


出来れば、そのような良き雪女と出会いたいものだ」


雪女。


未来には、恐ろしくも、興味深い妖怪がいるようだ。