「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより、未来予測を開始します」


彼女は祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体が、やわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました」


未来の何が分かったのだろうか？


「ワイバーン…」


「ワイバーン？」


「はい…。


未来には、ワイバーンという生物が存在するようです」


「ほう…」


「ワイバーンとは、ドラゴンという生物の中でも、特別、飛行能力に優れた翼竜のことを言うようです。


基本的に、前足はなく、代わりに翼が発達しているようです。


ワイバーンには、色んな種類がおり、毒を持ち、人を襲う、凶暴な種類もあれば、人を乗せ、仲間になってくれる、優しい者もいるようです」


「襲ってくるワイバーンは怖そうだ。


空から攻撃されたら、太刀打ち出来そうにないぞ！


しかし、仲間になってくれたら心強そうだ。


背中に乗せて、空を飛んでもらえたら、嬉しい」


ワイバーン。


興味深い生き物と感じた。

よくわかる「世界のドラゴン」事典―サラマンダー、応龍から、ナーガ、八岐大蛇まで (廣済堂文庫)