「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより、未来予測を開始します」


彼女は、祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体がやわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました」


未来の何が分かったのだろうか？


「焼き芋…」


「焼き芋？」


「はい。


どうも未来には、焼き芋という食べ物があるようです」


「どのような食べ物なのだ」


「サツマイモという植物を焼いて作る食べ物なようです。


日本という国では、昭和以前、落ち葉を集めて焼き、その中にアルミホイルを包んだサツマイモを入れ、作って食べていたようです」


「ほう…。


作ってみたいものだ」


「残念ですが、平成以降は、落ち葉を集めて焼いてはいけなくなったようです」


「…なぜだ？」


「廃棄物処理法により、禁止されたからのようです。


違反すると、罰金、あるいは、逮捕されてしまうようです」


「なぜ法律により、禁止されたのだろうか？」


「火事の危険や、焼くことにより有害物質が発生するからのようです」


「なるほど。


確かに強風が吹いた場合、火のついた落ち葉が、人家に飛ぶことはありえる。


危険に感じる。


焼くもののなかに有害な物質を含んでいるものがあったら、煙は人の体に害となる。


健康を考えると、法律で規制した方が無難というわけだな」


「平成になってからは、焼き芋を作ることが出来る調理器具が増え、簡単に作れるようになったようです。


うまく作れると、甘味のある風味を堪能出来るようです」


「ほう…。


食べてみたいものだ」


焼き芋か…。


未来には、おいしそうな食べ物があるようだ。

ホーロー 焼いも器 24cm 石付き HA-Y