「な…。


ス、スイーカの実が？」


私は慌ててスイーカのいる右斜め前方に顔を向けた。


ゴォォォ！


わずかにぼやけた視界の中に、


私に向かって飛ぶ、スイーカの実があった！


凄い勢いだ！


距離は残り数m―


回避はとても間に合わない！


こ、棍棒で弾き返せるか？


ブ…！


私は棍棒を激しく震動させ、体の前で構えた。


次の瞬間、実が棍棒を襲い―


ドォォォン！


構えていた私ごと後ろへ吹っ飛ばした。


「ぐはぁぁぁ！」


私の体が凄い勢いで宙を舞い、


ザァァァ！


背中から地面に落ちる。


「は、博士！」


サファが倒れた私の方に飛んできた。


「だ、大丈夫ですか、博士！」


言って、私の顔を心配そうに見下ろした。


私はヨロヨロと身を起こす。


「実を弾き返そうとしたのだが…、出来なかった。


大きさが1mもある、重たいプラチナで出来たスイーカの実だ。


無理があった…ぞ。


棍棒で防御したため、致命的なダメージは避けることが出来たが…、


凄まじい勢いで攻撃されたため、体がしびれてしまっている。


十分に動けない状態だ。


今、スイーカに攻撃を仕掛けられたらヤバいと感じる。


スイーカの動きは…どうだろうか？」


「先程、博士と接触した地点で静止しています。


…！


い…いえ、


実が回転を始めました！


ゆっくり後ろ方向に回転し…、


そ…そんな！


下に向けられていた穴が、博士の方に向けられました！


ヤ、ヤバいです、博士！


種攻撃が来ます！」