「スイーカは一体…、


どのようにして地面を吹っ飛ばしたのだ…。


い…いや、今はそれを考えている場合ではない。


スイーカの周りの地面が砕け飛んだのだ。


埋まっていた実が自由を取り戻しているかもしれない。


応戦出来るよう、早く目に入った土を取り除く必要があるぞ。


周囲に存在する水分よ、私の両目に集まるのだ！」


私の意に従い、


ヒュゥゥゥ！


空気中や地中にあった水分子が左右の目に集まり出した。


薄く開いた両目に水分子が次々と当たっていき、


目の中が急速に水で満たされていく。


目から水があふれ出て、入っていた土が徐々に外に流れ始めた。


よし、うまく目を洗えている。


この調子で洗い続ければ、じきに目が元の状態に回復するだろう。


完全に土を洗い流せるまで…、


スイーカが攻撃を仕掛けてこなければ良いが…。


そう思った直後、


「は、博士！


スイーカが！」


サファが前方を見て叫んだ。


「くっ…！」


私はその視線の先に慌てて目を向けた。


3mほど先の地中から実が浮かんでゆっくりと出てきた。


「スイーカ…、やはり待ってはくれないようだ。


目は先程よりはマシになったが、まだ十分に回復し切れていない。


半分ほどしか開けず、視界がぼやけている。


戦闘するには、厳しい状態だ…ぞ」


「は…博士…。


私が…博士の目になります。


スイーカの動きを伝えます…。


ですから…なんとかしてスイーカを…」


「助かるぞ、サファ。


しっかり聞いて、目が完全回復するまでスイーカの攻撃をしのぎ切る。


そして、なんとしてでも根の兵器組換石に一撃を加えてやるぞ！」