「ジイールは、謀反を実行に移すために、


兵器組換石の改良を続けていたのだ」


私はつぶやいた。


「そう…。


兵を集めても、屋敷内部に侵入するのは、難しい…か。


入ろうとあがいている内に、この城の上まで到達されかねない。


となると、屋敷を無理矢理、止めるしかない。


この城には、遠距離用の兵器がいくつかある。


高出力なものも、ある。


あの頑丈そうなプラチナの屋敷といえど、


撃ち落とすことは不可能ではないはずだが…」


エリィナが言いよどんだ。


「何か問題が、あるのだろうか？」


私はエリィナに聞く。


「厚くプラチナで建造された屋敷だ。


貫き、兵器組換石を破壊するには、余程の出力が必要になるだろう。


そんな高出力で放てば、城下への被害は免れない。


衝撃でふっとんだ屋敷が、人家に落下するかもしれない。


砕け飛んだ、プラチナの破片が、大量に降りそそぐことになる。


多くの怪我人が出ることになるだろう。


それを考えると、どうにも、気が進まない。


それに…、


本当に撃ち落とせるのか、という心配もある。


ジイールは、研究開発機関の上層部…。


高出力兵器の攻撃をしのぐような、


得体の知れない力を持っていても、不思議ではない」