落下していたスイーカが、私の5mほど下で止まる。


実がスッと少し上に動き、根を私の視界から隠した。


くっ、スイーカ…、


接近しても厄介だ…ぞ。


実だけでなく、茎による攻撃も持っている。


硬くて重いプラチナで出来た茎なのだ。


叩かれたら、ダメージは半端ではない。


うかつに近付けないぞ。


しかし、だからといって離れすぎたら、今度は砲弾となって私に迫ってくる。


なんとか接近し、根に攻撃を当てないと。


どうすれば…良いか。


勇気を持って、突っ込む…か。


先程、私が仕掛けたスイーカへの攻撃は、


成功はしなかったものの、後一歩だったように思える。


もう少し速く動けていれば、右足による蹴りが根に届いていたように思えるのだ。


悠長に距離を置いて闘っていたら、いつ兵器組換石を破壊出来るか分からない。


そうしている内に、どんどんジイールの屋敷が城に近付いてしまう。


…よし。


思い切って、スイーカに突っ込むぞ！


ブ…！


私は右手に棍棒を出し、


ビュゥゥゥ！


眼下のスイーカに向かって飛んだ。