数人で協力して攻撃を仕掛ける以外に有効な手はないか、


考えようとした、その時―


「は、博士！


スイーカが降下速度を加速させました！」


サファが私にスイーカの急接近を伝えた。


「何！？」


私は慌てて頭上を見上げた。


十数m上からスイーカが実を先頭にし迫っていた。


い、急いで回避をしないと！


ビュゥ！


私は素早く後方に飛んだ。


そのすぐ、


ビュゥ！


私の数m前をスイーカが猛スピードで通り過ぎた。


そのまま落下していき、


ドォォォン！


ジイールの屋敷の庭に激しくぶつかり、周囲に土砂をまき散らした。


私のいる高さまで土が飛んでくる！


私は慌てて両腕を顔の前で交差させた。


ザッ！


土が私に当たって周囲に飛び散り、下に落ちていった。


土をここまで上げるなんて…、実の攻撃、凄い威力だ…ぞ。


私は交差させていた腕を解き、スイーカの方を見た。


体の半分ほどが地中に埋まっていた。


引っ掛かってしまったのだろう。


激しくもがいて、外に出ようとしていた。


よ…し。


スイーカが地面から抜け出せないでいる。


抜け出すまでの間、スイーカを倒す有効な手がないか、


考えることが出来るぞ。


…！


…い…いや。


どうも…それを考える必要はなさそうだ。


スイーカの地上に出ている側をよく見てみると、


あるのは2本の茎と…根。


根にはスイーカを動かす…兵器組換石が埋め込まれているのだ。


スイーカは今、十分に動くことが出来ない。


今まで散々私を苦しめてきた実は地中に埋まっており、


攻撃を阻めるのは、2本の茎のみ…。


今、スイーカを攻めれば…、


根に攻撃を届かせることも不可能ではないかもしれない。


スイーカを倒すチャンスが…到来したぞ。