テーブルが、振動しながら浮遊している。


「くぅん…」


クーが不安げに、鳴いた。


「クーよ。


すまない。


危険なので、隠れて欲しい。


実は、サファが何者かに狙われているのだ。


少し前にも研究開発施設で、襲撃を受けた。


攻撃性の高い兵器組換技術によってだ」


「く…ぅ…ん」


私からそれを聞き、クーが震え出した。


そして私を心配するような目で見た。


「大丈夫だ。


護身用のガントレットを持っている」


「くぅん…」


私がそう言うと、クーがうなずき、消えた。


意思石に戻ったのだ。


意思石は、施設の地下にある格納台に埋め込まれている。


その場所なら安全なはずだ。


他には誰かいないだろうか？


私は、辺りを見渡す。


兵器に組み換わったテーブルとは、激しい戦闘が想定される。


巻き込まれたら、危ない。


人がいた場合、避難させる必要があるだろう。


…どうも、いないようだ。


私が、昼食を食べている間に、帰ったのだろう。


私がそう思った時、浮遊していたテーブルが床に降りた。


そして、4本のテーブルの足を、4足動物のように動かし、私に向かってきた。