シュ…シュ！


床すれすれの軌道にあった足が、角度を変え、私の腹部めがけて飛んでくる。


これが直撃したら、大変なダメージを負うことになる！


そうしたら、サファが奪われてしまう。


いけないぞ！


一か八かだ！


足の粒子よ、私を飛ばせ！


ブゥン！


そう念じると、私の体が急速に浮かび上がった。


私の目に見えていたテーブルの足が、一瞬で視界から消えた。


そう思った瞬間、


シュ…シュ！


鋭い風切り音とともに、私のすぐ下を足が通り過ぎた。


よし、避けることが出来た！


しかし、喜んでもいられない。


私の頭に天井が近付いてくる。


こんな速さでぶつかったら、大変なことになってしまう。


止まれ！


体が減速し始める。


しかし、止まり切れない！


頭をぶつけてたまるか…！


私の体よ！


反転しろ！


念じると、足が天井に向かい上がり始めた。


ダッ！


足の底が天井と接触、強い衝撃がはしる。


頭をぶつけることを避けることが出来たぞ！