「なっ…！」


前を見た瞬間、私は絶句した。


テーブルの足が、散開している。


右と左から、私を挟むよう、向かってきている。


私が止まることに専念している間に、後ろを追っていた2本の足を、テーブルが磁力で移動させたのだ。


今、私のいる位置は、角だ。


その場所で、挟み撃ちである。


避けるのが、困難だ。


失敗した…ぞ。


回避するのに手一杯で、先のことまで頭が回らなかった。


どうすれば、この状況を乗り切れるだろうか？


うつ伏せの状態で宙に浮いていた体を着地させ、考える。


弾くのは、難しい。


力が段違いである。


先程と同じように、私が弾かれてしまうだろう。


そうなると…上へ避けるしかなさそうだ。


天井に頭をぶつける危険性があるが、なんとかやってみるぞ！


来た！


右斜め前から、足が1本、先にやってくる。


左斜め前から、足が1本、少し遅れてやってくる。


浮け、私よ！


ビュン！


速い速度で、体が浮く。


その後すぐ、


ガァン！


壁にテーブルの足が突き刺さる。


避けられた！


後、頭をぶつけなければ！


私は体を前に半回転させた。


足が天井に向く。


減速だ！


上昇速度が落ち始める。


そして、


ダァン！


天井に足が着いて、止まった。


うまく出来た！


後は、テーブル本体の兵器組換石を破壊するだけだ。


私がそう喜んだ時、


ブゥン、ブゥン！


床で回転音が響いた。