なんとか、この流れから抜け出さねば！


私は、足に粒子を付着させ、操作し、上へと脱出を試みた。


体が、浮上する。


これで抜け出せれるぞ。


しかし、それは…かなわなかった。


なぜならば、その私の動きにあわせ、ヘッドも上を向いたからだ。


くっ！


引き寄せられている！


このままでは、ヤバいぞ！


ヘッドの吸い込み口は、大きくなく、


到達しても、吸い込まれる心配はない。


しかし、強力に吸いつかれ、身動きがとれなくなりそうだ。


そうなったら、好き勝手に、やられるぞ！


うおお！


浮かび上がれ、私よ！


私は足に付着した粒子に力を込めた。


浮上速度が上昇する。


木の上に、出た。


…よし！


抜け出せれた！


そう思った時だった。


「博士！


上です！」


サファが、叫んだ。