この手を使えば、ヘッドから逃れることが出来るだけではない。


ヘッドの吸引能力もしばらくの間、無効化出来る。


ソージキに攻撃出来る絶好のチャンスが得られると言える。


しかし、気を付けなければいけない。


手間取ったら、気付かれる可能性がある。


そうしたら元も子もない。


迅速に処理を行う必要があるぞ。


私は、足元のヘッドを凝視し、これから行う作業をイメージした。


…よし。


シミュレーションが出来た。


これで、素早く実行出来るはずだ。


私がそう思った時、


「どうした？


どうした？」


ソージキがヘッドを動かし、上下左右に私を揺さぶり始めた。


ブゥン、ブゥン！


激しい揺さぶりだ！


きついぞ！


しかし…、


今が、


チャンスに思える。


激しく動いている今の私は、


ソージキからして、


見づらくなっているはずだ。


私の行動に、


すぐに気付けないだろう。


やるぞぉぉぉ！


私は、意志力を高めた。


ブゥ…。


ガントレットが光を放つと、右足の粒子が動き始めた。


そして―


ヘッド全体を


包み込んだ。