「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、女性型未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより未来予測を開始します」


彼女は祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体が、やわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました。


映像を投影します」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、開発室内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。



機関車トーマス（プラレール）


「機関車トーマス」


「機関車トーマス？」


「はい。


未来には、トーマスという機関車があるようです。


機関車とは、動力を持つ鉄道車両のことを言うようです」


「乗り物か。


しかし、乗り物にしては、違和感を感じる。


顔が付いているぞ」


「トーマスは、心を持った乗り物のようです。


人や、他の機関車と会話が出来るのです」


「なんと！


乗り物に心を持たせるとは、未来人は粋なことをしてくれる！」


「機関車トーマスは、多くの人に、人気があるようです。


イギリスから始まり、世界各国に広がっています。


絵本やテレビ映像、おもちゃなどで、人々に夢を与えているようです」


「おお…」


機関車トーマス。


未来には、素晴らしい乗り物があるようだ。



機関車トーマス（抱き枕）