「博士…。


あんなにたくさん。


あんなにたくさんのプラチナ像が、私達をにらんでいます…」


サファが今にも泣きそうな声で私に言った。


「本当にスゴイ数…だ。


このままでは、ジイールの言った通り、


徹底的にタコ殴りだ…ぞ」


私も泣きそうな声でサファに言った。


「どうするのですか、博士。


すぐにでも一斉に襲ってきそうですが…」


焦った口調でサファが私に言った。


「どうすべき…か。


まともに闘っても…、勝ち目は限りになくゼロに…思える。


しかし、逃げても、あんなに多かったら、囲まれてアウトだぞ…。


ここは…、


屋敷内への強行突破しかない…だろう。


侵入防御システムを破って屋敷内に入り、


プラチナ像に近付かれる前に、速攻でジイールを倒す。


そうすれば操る者がいなくなり、像が動きを止めるはずだ」


私はサファに答えた。


「強行突破ですか。


博士…。


本当に出来るでしょうか。


侵入防御システムは、鉄壁でした。


ジイールさんは、簡単には、やられてくれなさそうです。


かなり難しそうですよ…」


サファが不安そうに私に言った。


「凄まじく困難だ。


成功出来る感じがしてこない。


私は侵入防御システムに突っ込むが、おそらく弾き飛ばされるだろう。


飛ばされる私に、プラチナ像が群がってくる。


空中で激しく痛めつけられ…、


私は果てる…」


私は弱々しくサファに言った。


「そんな…」


サファが呆然とつぶやく。


そんな私達をあざ笑うかのように、


庭の全てのプラチナ像が、紫の光を強めるのだった。