「は、博士！


大丈夫ですか！」


サファが私の頭の上に飛んできて心配そうに聞いた。


私は逆さまになっていた体を起こし、彼女の方を向く。


「あ…ああ、サファが教えてくれたお陰で、なんとか防御出来たぞ。


しかし…、


まさか実が種を撃ち出してくるとは。


硬いプラチナで出来た種を高速で撃ってきた。


棍棒で防いだのだが…、衝撃で体全体がしびれている。


とんでもなく威力のある攻撃だった…ぞ。


くっ…、


実が自由に動けずチャンスだと思って攻撃を仕掛けたが…、


スイーカ…、


ここまで厄介とは。


器用に攻守をこなす2本の茎、


直撃したらひとたまりもない砲弾のような実、


それらだけでも手を焼いていたのに…、


その上、銃弾のように高速に打ち出せる種を実の中に持っているなんて。


果たして、スイーカに隙は存在するのだろうか…」


私は額から汗を流し、つぶやいた。


「そ…そんな、博士」


私のつぶやきを聞いて、サファが顔に動揺を浮かべた。


…スイーカが十数m上で静止した。


そして、実を先頭にし、こちらにゆっくり降下してくる。


「い、いや、


先程の攻撃だって、根までもう少しだったのだ。


休む間を与えないほどの怒涛の攻撃を仕掛ければ、


きっとチャンスが生まれるはず。


い…行くぞ！」


私は迫るスイーカをキッとにらみ、


ビュゥ！


飛び上がった。