おかしい…ぞ。


タマーネギの蒸気が、ジイールを…避けている。


タマーネギの風が激しく放たれ、目に見えるくらいの大量な蒸気が上がっているのだ。


 ジイールが立っているのは、ほんの1m先の地点。


勢いよくジイールに向かって、蒸気が流れているのに、 到達する寸前で、それている。


なぜ…だ。


私は、ジイールの周囲をじっと見つめた。


…ピカ。


紫色の薄い膜が、ジイールをぴったりと覆うようにして、あった。


剣の柄が、同じ色を放ち、薄く輝いていた。


そう…か。


あれがジイールを…守っていたか。


思ってみれば、ジイールも人の身なのだ。


スカーンクのおならや、ドーライヤーの熱風、タマーネギの汁が放たれた中で、平然と立っていられるはずがない。


それらの剣の力を成立させるために、シールドが備わっていた、ということ…か。