ぐ、はぁぁぁ！


下から足を襲う、急激な圧力の高まりに強く弾かれ、


私の体が空高く、打ち上げられる。


ビュゥゥゥ！


視界に、この都市を覆う、半透明なドームの天井が迫ってくる。


ビュゥゥゥ…。


天井に、残り数百mまで接近したところで、


体がガクッと落下を始めた。


ビュゥゥゥ！


ドアとの闘いの時のように…、


天井にぶつからなくて…良かったぞ。


ここは城の近く。


都市の中心部…。


都市の端の方にある…研究開発施設より、


ドームの天井が高い位置に…あるのだ。


この辺りだと、天井の高さは、大体500mぐらいだろうか…。


「は、博士！


このままだと、地面にぶつかってしまいます！」


私の耳元で、サファの声が響く。


その声でもうろうとなっていた私の頭が覚める。


「い、いかん。


確かに、そうだぞ」


私は慌てて足に付着した粒子を操作して、逆さまになっていた体を起こし、


落下速度を落とした。


「大丈夫ですか、博士」


心配そうにサファが聞く。


「危なかった。


サファが声をかけてくれなかったら、そのまま地面に衝突していたかもしれない。


先程のあの攻撃…、


とんでもなく、凄まじいぞ。


足に付着していた粒子が、大分、削り取られてしまっている。


あまりの衝撃で、体全体がしびれ、頭もフラフラだ。


ジイールは一体、どんな攻撃を行ったのだ。


プラチナの壁が放つ輝きが、


私のいた窓枠の下に集まったことは分かったのだが、


かなりまぶしくて、最後まで見ることが出来なかった」