バァン！


私は、背中から床に叩きつけられた。


「ぐ、ぁぁぁ！」


痛みで頭が朦朧とし、受け身をとることが出来なかった。


ソファーの角にぶつけ、痛みを持っていた背中に、さらに痛みが加算される。


ヤバいぞ…。


背中も頭もとてつもなく痛む。


その痛みにより、動くのが困難だ。


このままではテーブルにやられてしまうぞ。


「博士…」


そんな私にサファが心配そうに声をかけた。


「サファ…。


すまない。


とてつもなく困難を感じる。


ダメージを受け過ぎた。


体を動かすことも、ままならない…ぞ」


私は、弱音を漏らした。


「博士！


しっかりして下さい！


こんな形で捕まるなんて、なんか浮かばれません！」


そんな私をサファが叱咤する。


…その通りだ。


私が倒されたら、サファが捕まってしまう…。


悪用され、泣くサファの姿が脳裏に浮かぶ。


そんなことは、許してはいけない！


「うおお！」


私は、意志力を高めた。


左手のガントレットが輝くと、私の頭、背中に物質が付着した。


周辺に存在する鎮痛効果のある物質だ。


痛みが和らぎ始める。


私は、傷む体を無理矢理動かし、立ち上がった。


「サファ。


心配させて、すまなかった。


お前を守るため、もう少し、しっかりするぞ！」


そう言い、私はテーブルをにらむのだった。