「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、女性型未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより未来予測を開始します」


彼女は祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体がやわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました。


映像を投影します」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、開発室内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。






「パルテノン神殿」


「パルテノン神殿？」


「はい。


未来には、パルテノン神殿と言われる、建築物があるようです。


ギリシャという国の首都アテネの、アクロポリスという丘に存在します。


未来時間、紀元前440年ごろ、建てられたようです。


この神殿には、女神アテーナーが祀られているようです」


「女神アテーナー？」


「はい。


ギリシャの都市を守護する、女神のようです」


「都市の守護…か。


重要な役割を持った女神のようだ」


「この神殿は、美術的な価値が高く、未来人には、貴重なようです。


世界文化遺産に登録されています」


「素晴らしい建築物のようだな」


パルテノン神殿。


未来には、興味深い建築物があると感じた。