「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、女性型未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより未来予測を開始します」


彼女は祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体が、やわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました。


映像を投影します」


彼女はそう言うと、手を前にかざした。


幻想的な光があふれ、開発室内を舞った。


そして集束し、ホログラフィが現れた。

卑弥呼 邪馬台国のなぞの女王 (学習漫画 日本の伝記)

「卑弥呼」


「卑弥呼？」


「はい。


未来時間、3世紀に栄える邪馬台国の女王です。


どうもこの女王には、不思議な力があるようです」


「不思議な力？」


「はい。


予知能力です」


「予知能力…。


未来を知ることが出来るというのか！


どのようにしてそれを可能とするのだ」


「霊や神などと交感することにより、可能とするようです」


「凄い力を秘めている女王だ」


「そのような霊的な力だけでなく、統治能力も高いようです。


多くの人を従えています。


宮殿に身を置き、兵士により守られているようです」


「信望が厚いようだ」


「また、外交能力にも長けているようです。


海を挟んだ大陸の国、魏と交流しています」


「邪馬台国の繁栄を願ってのことだろう。


国のことを考えている良い女王だ」


卑弥呼。


未来には、素晴らしい女性がいると感じた。