「サファ。


50億年後の未来予測を頼む」


私は、女性型未来予測システムのサファに言った。


「了解しました。


これより、未来予測を開始します」


彼女は、祈りを捧げるかのように、胸元で手を握り締めた。


彼女の体が、やわらかな光を放つ。


ブゥゥ…ン。


「未来予測が完了しました」


どのような未来が見えたのだろうか？


「ワルキューレ」


「ワルキューレ？」


「はい。


未来には、北欧神話という神々の話があります。


その神話に登場する戦乙女達です。


槍を携え、ペガサスに乗って戦場に赴き、戦死した勇士を天上にある神々の宮殿、ヴァルハラへと導く役割を持っています」


「導く…。


なぜだ？」


「ラグナロクという、世界終結の日が迫っているからです。


神々を滅ぼす、争いが起こることが予言されたのです。


そのため、ワルキューレ達は、有力な戦士を集め、その争いに備えているのです」


「ラグナロクか…。


恐ろしいな。


それをなんとかするために動いている、ワルキューレは、重要な役割を持っていると言える」


「ヴァルハラにおいては、集めた戦士達の世話を任されているようです」


「戦士から見れば、ありがたい存在と言えるのではなかろうか」


ワルキューレ。


未来には、重要な役割を背負った乙女がいると感じた。



ワルキューレ（ジグソーパズル）